この数日来、ビートルズの聴き直しをしているわけですが、試聴の経緯というか順番を自分のメモ代わりに。
9月10日(木)
『MONO BOX』、『アビーロード』、『レット・イット・ビー』、『サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』(以上リマスター初盤)を購入。
1. 『アビーロード』(1987年CD) → 『アビーロード』(リマスター盤)
2. 『レット・イット・ビー』(リマスター盤) → 『レット・イットビー』(1987年CD)
9月11日(金)
『ハード・デイズ・ナイト』、『ビートルズ・フォー・セール』(リマスター初盤)を購入。
3. 『ハード・デイズ・ナイト』(1987年CD) → 『ハード・デイズ・ナイト』(リマスター盤)
4. 『ビートルズ・フォー・セール』(リマスター盤)
9月12日(土)
5. 『サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』(リマスター盤)
→ 『同』(海賊版CD)
『MONO BOX』開封
6. 『サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』(モノ・リマスター盤)
7. 『アビイ・ロード』 (リマスター盤)
9月13日(日)
(午前)
8. 『プリーズ・プリーズ・ミー』(モノ・リマスター盤)
9. 『ウィズ・ザ・ビートルズ』(途中まで) (モノ・リマスター盤)
(夜)
10. 『ラバー・ソウル』 (モノ・リマスター盤)
ふう ということで、今、『ラバー・ソウル』を聴きながら書いています。
今までのところ、やはり初期のアルバムのモノラル盤はいいなあといった感じです。でも『ハード・デイズ・ナイト』以降のアルバムは断然、ステレオのほうがいいと思います。ここらへんは、アルバムごとの比較が必要なのでしょうから別に譲りますが。
ところで音質的なところで一言。
ステレオ盤にせよモノラル盤にせよ、このリマスター盤は、あきらかにアナログLPの音ではなくCDの音だと思います。全然デジタルくさくないリマスターですが、この音のクリアさはCDならではのフォーマットで、アナログLPの‘ハイファイ’とは全く異なるものです。
アナログLPの情報量の多さについては、いろいろなところで特にオーディオよりの音楽マニアに語りつくされているところがありますが、今回のリマスターの試みは、その情報量の多さをCDにそのままリパッケージしたという感じでしょうか。
リマスター盤の音はアナログの音ではない、これも誰かの孫引きかもしれませんが、私も繰り返しておきます。
いよいよ本題^^?
今、ビートルズを聴くということ (その2)
現在、『ラバー・ソウル』の「オリジナル・ステレオ・リミックス」を聴いています。やっぱりこちらのステレオ盤のほうがしっくりきます。唄とリズム楽器が見事に左右に振り分けられていますが、これはこれで、アルバム作成当時のビートルズの「意思」であったと思うのです。このよちよち歩きでステレオというフォーマットの使い方を試行錯誤していた4人が、わずか1年半で『ペッパーズ』の世界の高みに達してしまうとは。その進化の早さには、本当にびっくりモノです。
さて、今、ビートルズを聴くということを自分にとってはではなく、同時代の人々にとってどのような意味があるかということを考えてみたいと思います。
実は、自分の身の回りでは、それほど「リマスター‘事件’」は盛り上がっていません。テレビやラジオでも非常に盛り上がっているようですが、たまたまかもしれないけど私はその特番を見ても聴いてもいないし、身の回りを見る限りでは、いまいち実感できていないというのが本音です。
ありきたりの企画ですが、ベスト曲の投票があったり識者の私の好きな一枚とか一曲とかいうヒット・チャートみたいなのが、盛り上がっているようですが、普通の人にとって「ビートルズ」と「その曲」って一体何なのというところがクリアにされていないような気がします。
でも明らかにリアルタイムでない50歳以下の世代にとってのビートルズは1980年代初めの何度目かのブーム(誕生20周年とか解散10周年とか)と、1987年の初CD化されたときのブームを除くと、1990年においては不遇というか主だったブームはなかったと思います。1995年からの「アンソロジー」は見事にはずしたというかマニア向けの企画であって、新しいファンをつかむという点では明らかに失敗でしょう。企画としては必要なものだったでしょうが、あれによってファンの裾野が広がったとは思えない。逆に、とっつきにくさや与えてしまったのではないかと思います。(はっきりいって自分でもいらないもん。資料的な意味はあっても、オリジナルアルバムに何か資するものがあったかといえばどうなんでしょうか。)
2000年以降、『ザ・ビートルズ1』によるリマスターや、2003年の『LET IT BE...NAKED』の発売など、あと2005年の『LOVE』ですか、それなりに企画があって盛り上がりもあったけど、単発的なスポットライトで、『ビートルズ山脈』の全体に光を当てるようなものではなかったと思います。
その意味で、今回の全オリジナルアルバム(プラス、パストマスターズ)は非常に意味があると思いますが...。
はっきりいって、初めての人に全てのアルバム、というかビートルズ全曲を聞けというのは無茶な話ではないかと思います。
確かに既存のファンだけではなく、若い世代、10代20代の人たちにも知ってもらいたいというのはありますが、一遍には到底無理です。
でも若い人は、まあ時間をかけて聞いていけばいいから、というより、やはりこの情報過多の現在に、一枚一枚アルバムをこつこつ集めるような人たちはどれくらいいるのかしらん。もっと他にも楽しいことや素晴らしい音楽はいくらでもあるわけで、投資効率というかビートルズだけで元がとれるのか正直わかりません。
ただ自分的には、中学~高校生のときに、ビートルズの全曲制覇をして、「アルバムを聴く」ということや、ひとりのアーティストを系統だって聴くという楽しさを知りましたので十分、元をとっているというか、人生の大きな励みにはなっています。
『ザ・ビートルズ』を聴くのにあたって、難しいところ、それは全曲を聴かないと見えてこないところがあるということ。これは別に彼らに限ったことではなく、どんなミュージシャンでもそうなのでしょうが、時代背景や曲のつくられた背景などちょっとした予備知識があると非常に楽しめるということと、佳曲(私が勝手にいっているのですが、佳作というかちょっとしたよい曲:詳しくは泣ける唄が聴きたいを参照)が各アルバムにふんだんにスパイスのように隠しこんであって、ヒット曲だけでは楽しめない、アルバム全体を通して聴かないとわからない、そのアルバムの曲順そのものがひとつの奇跡というか、そこにあるから意味がある的な要素が他のアーティストと較べて非常に高いような気がします。
(今、モノマスターの『ヘルプ』を聴いています。)
さて、ヒット曲だけを集めると『ザ・ビートルズ1』みたいなおかしなことになってしまうので、このリマスター盤全曲発売に当たって初心者はどのアルバムやボックスを買うべきか。
この問題については、以前も書きましたが、私は『赤盤』、『青盤』をそれなりに評価しています。ただ、今回のリマスターの対象ではないし。
ということで、今回の初盤があるうちに、数枚を購入したい方へのガイド。
1.もしお気に入りがある人は、そのアルバムのリマスター盤を買う。 リマスター盤の凄さがわかるはず。
2.初めての一枚だったら。
初期から『ハード・デイズ・ナイト』、中期なら『ラバー・ソウル』、後期なら『レット・イット・ビー』かな。
傑作の誉れ高い『ペパーズ』と『アビイ・ロード』は、2枚目か3枚目でいい感じがしますね。いきなり聞いても『ペパーズ』は何だこれで終わりかねないし、『アビイ・ロード』はアルバムとしての完成度は高くて、いくらB面のメドレーがすごいといっても単体でのヒット曲はほとんどない。(サムシングは有名といってもジョージの曲だし)
ポピュラーで聞いて楽しいという観点から選べば、やはり先の3枚から1枚をまず選べば間違いないでしょう。3枚まとめて購入できる人は、この『ビートルズ』というバンドの音楽的な幅の広さを知るきっかけになるでしょう。きっと。
またこのリマスター盤の話題性という点からみれば、『マジカル・ミステリー・ツアー』は非常に穴場的な最初の1枚かも知れない。
というのは、今までの1987年CDではついていなかった折込ブックレットがついていることと、「ハロー・グッバイ」、「ストロベリー・フィールズ・フォーレバー」や「ペニーレイン」、「愛こそはすべて(ALL YOU NEED IS LOVE)」といった中期の超有名曲とタイトル曲「マジカル・ミステリー・ツアー」の格好良さが一枚で味わえる。
これは、このリマスター初盤一番の買いのアルバムではないかと思います。
あと『ホワイト・アルバム』もジャケットがオリジナルっぽくなっているし、音もクリアになっているので、これもまたリマスター初盤ならではの買い物でしょう。
もちろんお金のある人は、『ステレオボックス』を買うのもいいけど、ちょっとづつ聴いてみたい、ちょっと触れてみたい人には、上記のアルバムは間違いなくどれもお薦めです。
以前のお薦めアルバム・ランキングをちょっと引用してみます。
「しばやん、ビートルズを語る。 (ビートルズ再入門-もう一度、全曲聞きたくなりました^^!) 2005年5月11日 作成」
http://arukunakama.cocolog-nifty.com/life_i_love_you/2009/02/post-a71e.html
さて、その中であえて1枚のアルバムといわれると本当に難しい。初期のアルバムの疾走感もすごいが、中盤におけるメンバーそれぞれの試行錯誤も面白い、円熟期の成熟さもまたよいということで、以下は、暫定的なお薦めです。
まず、とっつきやすいのは、①『A HARD DAY’S NIGHT』か、②『HELP!』の若さというか疾走感を味わうというのが手でしょう。
次は、やはり③『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』とか、④『ホワイト・アルバム』とか中期のアルバムでしょうか。⑤『マジカル・ミステリー・ツアー』もCDの構成を理解した上で聞けばおもしろいでしょう。ある程度、ビートルズの初期中期のアルバムを聞いた上で、⑥『アビイ・ロード』と⑦『レット・イット・ビー』に進むのでしょう。ある程度、ビートルズの歩みを知らないと、この後期のアルバムのよさはわからないと思います。
中山氏は文中で、ベストを集めた企画盤としての『赤盤(The Beatles/1962-1966)』、『青盤(The Beatles/1967-1970)』や『ビートルズ1(The Beatles 27#1 singles=1)をいきなり聞くことはよくないと語っています。しかしながら、最近では、ビートルズの全曲を日本で一度に聞くことはほとんどないので、これらのベスト盤を手がかりに、気に入った曲の入ったアルバムを聞いてみるというのもひとつのアプローチの仕方かもしれません。しかし、『アンソロジー』とか、『LET IT BE… NAKED』をいきなりはじめに聞くのはやめておいたほうがいいと思います。いずれもオリジナルの曲を知らないと楽しめないからです。」
あまり変わっていないようだけど、とっつきやすさという意味では、今回のお薦め盤のほうがいい感じですね。まとめると、
A. 初めの一枚としてのお薦め盤
1. 『ハード・デイズ・ナイト』
2. 『ラバー・ソウル』
3. 『レット・イット・ビー』
B. ちょっと慣れたら一度は聴きたいロックの名盤
4. 『サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』
5. 『アビイ・ロード』
C. リマスター初盤ならではの企画というか買いの一枚
6. 『マジカル・ミステリー・ツアー』
7. 『ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)』
レアさからいうと、6.7.は再販売のときのパッケージングが見えない今では、一番マスト買いアイテムかも。
バラで買うのなら、やはりリマスター初盤の3面開きジャケットはカッコいいですよ。もうメーカー在庫がないそうなので、このブログをみてちょっと1枚聞いてみようと思った人はすぐにCD屋にダッシュです。
「今、ビートルズを聴くこと」などとちょっと小難しい話をしようとは思いましたが、難しく考えても意味がないので、結論としては、まずは一枚聞いてみようということで、とにかくこのリマスタリング初盤販売のチャンスを逃すなと声を大にしてこの項を終わらせていただきます。長文を読んでいただいてありがとうございました。
ではでは^^?
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