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2013年9月 1日 (日)

われわれの物語を創るために― コミュニティ開発におけるチェンジエージェント ―(提出稿)

初出:フェイスブック ノートブック 2013年8月31日


<われわれの物語を創るために>


学会の発表の応募を完了しました。いつも期限ぎりぎりの応募なのですが、やることはやったので、果報は寝て待て!ですか。とりあえず、次のプロジェクトに取り掛かります。応募書類の最終稿をPDFにしておきましたので、よろしかったら適当に拡散してください。いちおう、本文を下記に転載しておきます。


■PDFファイルはこちらから!
「20130831.PDF」をダウンロード

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2013年8月31日 応募書類 最終稿


われわれの物語を創るために
― コミュニティ開発におけるチェンジエージェント ―


柴田英知(歩く仲間 主任研究員)


Who shall tell ‘our story’?
Some remarks on change agents in community development.


Eichi Shibata (Chief consultant, Aruku-nakama as “Fellowship for endogenous development” )


 発表者は1992年より16年間、農業・水資源開発を専門とする開発コンサルタント会社で主に政府開発援助の仕事に関わってきた。農業開発とは多くの開発途上国においては首都圏内での開発事業と大きく異なる地方都市を含む農漁山間地での地域開発の側面を多分にもち、原則、自然環境の制限下における地理的に区切られた一定の地域を、食料生産の農林水産業の第一次産業、食品加工の第二次産業、そして生産物の流通とさらに付加価値を高めたサービス業の第三次産業などあらゆる産業が連関する一つの‘人間の生活圏’として再構築する総合地域開発事業そのものである。


 発表者のみならず、国内外の地域開発、つまり国家・広域な地域から草の根のコミュニティにいたるあらゆるレベルにおけるプロジェクトの立案・計画・事業の実施を手がけてきた開発コンサルタント会社のスタッフが蓄積してきた経験知は、開発途上国のみならず日本の地域開発、特に市町村レベルの新しい自治における市民と行政の協働のあり方に大きな示唆をあたえるものと考えられる。


 今回の発表では、今までに発表してきた地域開発における‘よそ者(性)’をもったチェンジエージェントの役割と可能性について改めて次の2つのフィールドにおける比較を通じて明らかにしたい。


 まず、発表者が2004年3月から2008年6月まで駐在したフィリピンの南部にあるミンダナオ島の紛争地域におけるJICAを含むさまざまな国際機関の活動を、具体的には農業省国家灌漑庁や農地改革省などの複数の二国間援助のプロジェクトマネージメントオフィス(省庁のスタッフと開発コンサルタントのプロジェクトチーム)のスタッフ、特に現場レベルでのフィールドワーカーであるローカル開発NGOスタッフのプロジェクトサイトにおける立ち居振る舞いについて報告する。特に、コミュニティ開発プロジェクトの展開において各プロジェクトが留意した点、ソーシャル・プレパレーションの重要性と、地域住民とプロジェクト(スタッフ)との間にどのようにして信頼関係を構築したのか、どのような葛藤や問題があったのかをチェンジエージェントに焦点をあてて考察する。


 次に、日本において、まさに現在進行形の少子化高度高齢化社会の切迫しつつある財政状況下における行政と市民の‘新しい公共’の創出の現場における‘市民’の役割を、愛知県の豊田市の活動実践に学びたい。豊田市では平成の大合併の状況下、「(1)新たな地方自治システムの下で誰が自治を担うのか。(2)住民自らが課題を解決するための力を強化するには、どのような取り組みが必要とされているのか。(3)市民活動を支え、進めるための人材育成や活動をどのように実践し展開すれば、市民活動が効果的に促進されるのか。」という問題意識の元に、ある一人の市民が「とよた市民活動センター」の職員という立場を得て、ソフト・システムズ方法論によるアクションリサーチの一環として市民活動コーディネーター「つなぎすと」事業をその立役者の一人として実践し、かつ記録した。(※)


 この国内外のコミュニティ開発におけるチェンジエージェントの果たした役割とその有用性と限界について、プロジェクト形成段階における現状認識のための‘フィールドワーク’、ビジョンを共有しグループダイナミクスを引き起こす‘ワークショップ’&‘ファシリテーション’をキーワードにその他の地域やプロジェクトへの適用・拡散可能性についても視野にいれて検討し、そのコアとなる‘チェンジエージェント’や‘つなぎすと’のあるべき姿や資質面に踏み込んで提言をおこないたい。


※2004年から2011年までの実践記録が博士論文としてまとめられている。菅原純子『思いをつないで自治を拓く 市民活動促進に関する実践的研究』 ブイツーソリューション 2013年5月

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