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2011年5月16日 (月)

6. 生活支援と復興支援の違いと留意点について (続き)

<ステークホルダーとは>

さて、タイトルはそのままに、続きといきますが、ステークホルダーという言葉がでてきました。

初めてステークホルダーという言葉を聞く方も多いかと思いますが、少しでも‘開発援助’をかじった人は、この言葉の持つ重要性が容易にわかるかと思います。

つまり平たくいうと、「誰が関係者なの」ということです。

東日本大震災の場合で考えてみましょう。思いつくままに、書き出してみてください。

・地域住民 → 住民って誰のこと?

・行政 → 町役場の人?、市役所の人?県や国の役人の人?

ところで、上記の書き出しってなにか薄っぺらくて浅いものだと思いませんか。

地域住民と一言でいっても、いろいろな切り出し方があります。性別(男女)、年齢、生産年齢(乳児、幼児、小中学生、高校生、大学生、大人(職業人)、老人など。でも特に大人と老人はもっと細かくわけて考える必要があるようです。

職業や業種別にわけるのは基本として(たとえば病院関係者、運送業、製造業、土木業、漁業、農業、製造業(工場労働者)、事務方、現業(土木作業員、運搬業、・・・)、サービス業、細かく分ければガソリンスタンド業者なりサービス業でも洋飯、すし(職人)、ファミレス(チェーン店)、喫茶店、床屋、美容室もう際限なくいくらでもリストができるでしょう。

それに加えて正規社員なのか契約社員なのか自営業なのか、アルバイトなのか家内労働者なのかなど、就業形態も考えたほうがよい場合もあるでしょう。

そうそう、介護をうけて老人擁護ホームにいる人と、自宅でヘルパーの支援を受けている人、家庭で老人や病人を介護している人など、はっきりいって、援助の手を差し伸べる‘側’の都合によって、地域住民ひとつを採ってみても、その定義や範囲が、簡単にころころ変わってしまいます。

‘地域’住民といいましたが、東京など外部に出ている労働者、学生などは、その地域に住んでいない(年に2,3回は帰ってくるとしても)ということで、「‘地域’住民ではない」ということができるのでしょうか。

行政についても、自分でシュミレーションしてみてください。

村役場のひと、町役場など属する組織がカバーする地域で分けるのか、職能、たとえば上水道・下水課、道路・橋梁、公園、教務、総務、消防、救急、もう先ほど地域住民で検討した以上に、分け方によっていくらでも切り口があることにうんざりするに違いありません。特に、門外漢にとっては、行政の組織やその役割区分については思うほど簡単にわかりません。

たとえば、道路一つを取ってみても、国道、県道、市道、農道、私道など管理区分がそれぞれ分かれて担当部署が違うということをあなたは知っていましたか?歩いたり車で走れば普段全く気がつかないことですが、‘行政’的には、ちゃんと杭があって管理区分が分かれて(分けて)いるのです。はたから見れば、全く同じ道じゃん。このライン(線)の手前と向こう側と何がどう違うの?

これから普及工事が始まるでしょうか、ここからここまでは県の予算で普及して、このライン(線)の向こう側は市町村の管轄だから直せません、というようなバカなことが起こらないとも限りません。

‘お役所仕事’と今までもマスコミなりに散々叩かれていますが、行政の側のルールというのは、到底、普通の我々には理解できませんが、その細分化こそが、強みである場合もあります。

現業部門には、必ず国から市町村にいたるまで行政のラインがあります。そう、縦割り行政と散々非難されてはいますが、組織の筋を横ではなく縦にとっておくことは‘組織の存続’を考えるときに唯一ではないにせよ、非常に合理的で必要な措置であり考え方なのです。

ちょっと脱線しましたが、地域住民と行政の二つを考えるだけで、その難しさと考える我々の側の知識や経験不足による‘不安’を感じませんか。

つまり外部から、ある地域なりをみるということは、これほど難しいことなのです。いや、想定や想像もできない、見落としが必ずとはいえなくとも、たぶん99%以上は、その‘見落とし’のリスクがあることを、特に外部の我々は頭の隅においておくべきです。

私はなにげに、‘我々’といっていますが、外部者、特に支援を考えたりする側の人間は、自分の能力と知識や経験の限界を自覚しておかなくてはなりません。

この部分は、いわば‘私’の講義の肝の部分なので、次回、もう少し深めてみるつもりです。

とりあえず、今日はここまで。

(続く)

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