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2011年5月14日 (土)

4. 緊急援助、支援時にまず考えるべきこと <東日本大震災を考える>

4.まず考えるべきこと

緊急援助、支援を考えるときに、当然のことながら、地域開発の総合的な視点が必要なことは言うまでもありませんが、‘緊急’ならではの留意点がいくつかあります。とりあえず列挙してみましょう。

1. 紛争直後、自然災害の直後というのは、人災であれ天災であれ、「戦後処理」であることをまず考える必要があります。

では、戦争状態とはなにか。戦争は、全てを焼き尽くし破壊し、粉々にまで、人間の生活環境と、人の心を壊してしまいます。つまり、すべて破壊されつくされた‘跡’にいる人を救うということなのです。

この状況を理解することは、実は容易なことではありません。少なくとも平和な日本にいる限りは。ただ、いろいろな疑似体験をする、想像力をやしなうための努力というかトレーニングの仕方はあります。でも、それは置いておいて、先に行きましょう。

2. 戦争直後の現場で考えることは、まず人命救助です。これは、東日本大震災をみても明らかですよね。まず人は‘人’を探すことに一番力を使います。

消防団や、警察、自衛隊の活動とかをみてもわかると思うのですが、多くの被害者がいる場所で、効率よく救援活動をおこなうためには、ほぼ例外なく、トリアージ方法(triage〔負傷程度に応じて治療優先順位を決めること〕)が採用されます。これは、もともと医療で使われていた言葉だと思いますが、日本でも近年それなりに市民権を得てきた言葉だと思います。

確か聞いた話では、国境なき医師団が救援に入った現場で、負傷者を3つにリボンをつけてわけたことが始まりです。

wikipedia では、もっとフランスの軍隊までさかのぼれるそうですが、それはそれとして、どうリボンをつけるかをWikipediaで引用してみましょう。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%B8

黒 (Black Tag) カテゴリー0(死亡群)
死亡。生命にかかわる重篤な状態であるが、その救命には現況以上の医療能力(救命資機材・人員)が必要であり、結果全傷病者の救命に不利益となるため、該当する時点での救命の適応がないもの。

赤 (Red Tag) カテゴリーI(最優先治療群)
生命に関わる重篤な状態で一刻も早い処置をすべきもの。

黄 (Yellow Tag) カテゴリーII(待機的治療群)
赤ほどではないが、早期に処置をすべきもの。
一般に、今すぐ生命に関わる重篤な状態ではないが、処置が必要であり、場合によって赤に変化する可能性があるもの。

緑 (Green Tag) カテゴリーIII(保留群)
今すぐの処置や搬送の必要ないもの。完全に治療が不要なものも含む。

あれ、しばやんさんは、3つと言いましたよね。いえ、3つで正しいのです。というのは、‘黒’は、すでに死んでいなくてもその現状では、‘治療できないもの’と一旦は、切捨てられてしまうのですから。

「治療できないものおよび、治療対照群(治療不要も含む)が3段階と、計4段階に分類している。」 (Wikipediaより引用)

ここまで書いてきて、かなり自分でも辛くなりました。

そもそも善意だけのボランティアでは、救える命(赤、黄、緑)ですらも救えない場合があるのです。

限られた時間内に、最大限の‘効果’を出すためには、心を鬼にしてでも救うものと見捨てるものを分けなくてはなりません。

これは、はたから見ても辛いことです。

私も聞いた話ですが、内臓に損傷がある場合と外傷が激しい場合とどちらが生命が危険なのかは、素人では傍目にわからない場合が多いそうです。

医者に限りませんが、生命のぎりぎりで闘おうとするプロフェッショナル(専門家)には、その言動に対する裏づけと覚悟が必要です。闇雲にがんばってもできないことはできないのですから。

さて、救援活動も重要ですが、災害直後の、残された人々のケアが同時に必要となります。

ところで普通、紛争後や災害復興時のステップは3つあると考えられています。

1.緊急支援:短期 たとえば2週間から1ヶ月に集中。
    人命救助、避難場所の確保など、当面に最優先してやること
    人命救助の場合、生存率が高いのが災害後、72時間、つまり3日以内です。

2.生活支援:中期的 仮設住宅の設置、ライフラインの確保、生活環境の整備   
    学校や公的サービスの復旧を含む。
    この場合は、あくまでも‘仮’に生活を安定させるもので、住む場所ですら仮のものでしかありません。
    今、まさに東日本大震災がこのステージです。

3.復興支援:長期的に社会基盤からの再構築をおこなう。

1は、比較的短期間で終わらせ、順次、2,3に移っていくのですが、ご案内のとおり、2と3は同時並行的に関連をもっておこなわれます。ある程度、先の見通しをもって事業をおこなわないと2のステージに割いた資源が無駄になることが多いからです。しかし、実際には、2の場合は、使い捨てになることも覚悟して当面の被災者の生活補助(保護)にあたらなくてはなりません。

いうまでもなく、3の復興支援は、ちゃんと計画期間(時間)をもって、長期的なビジョンをもって粛々と事業を進めなくてはなりません。

さて、今、我々は、東日本大震災では、どのステージにいるのでしょうか。
間違いなく、2と3のステージにいます。

次回の講義では、生活支援と復興支援の違いと留意点について、お話したいと思います。

この項 了。

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